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坪庭の「坪」の由来は平安時代にまでさかのぼり、渡り廊下で、区切られた家屋と家屋の中間にある空間を
「坪」と呼んだ事に由来していると言われていて、本来は建物に区切られた庭園の事をさします。
今日においては、坪庭=『小さい和風庭園』と言う意味合いになりつつあるように思われます。
庭園も古来から時代の流れに沿って様々な流行や新しい文化が生まれました。
禅宗が盛んな時代には、竜安寺の石庭に代表される水を使わずに、砂利と巨石を配置して、
水の流れを表現する枯山水様式の庭園が生まれ、戦国時代には茶室から眺める為の茶庭と呼ばれる様式が生まれて、
燈籠(とうろう=「灯篭」とも書く)や蹲(つくばい)を設える、坪庭の定番とも言える形が出来上がりました。
現代においても、限られたスペースで、日本の伝統文化を演出するための手段として、
日本全国の宿泊施設や飲食店といった公共の場だけでなく、書室やお風呂の周りといった身近な住空間でも
個性あふれる坪庭が日々生まれています。